私の短編猫小説-1「あなたの家に猫がやってきた理由」
あなたの家に猫がやってきた理由
1 え!輪廻転生禁止!?
2 起死回生を計るには猫に生まれ変わって子孫に尽くすのだ
3 どの猫種を選ぶかによって罪の浄化が変わるの!?
※ これは管理人が気まぐれに書いたフィクションの小説ですので、本当の話だと勘違いしないようにしてください!
著作権は作った私にあるので、転載はお断りしております!
本日は牡牛座の新月なので、新月は新しいことを始めるのに良い日ということで、多くの方に楽しんでもらえるように以前から練っていた物語を作ってみました!
こういう視点から猫ブームを見るとなんだか面白いと思いませんか?
~ココから小説の始まり~
俺の名前は健太、人間をやっていたときはヤクザだったんだ!
悪いことは一通りやったし、物心ついたころから親もきょうだいもいない施設で育ったから、何をしても悲しませる家族はいやしなかった。
だから気づけばお決まりのようにこの世界へ入っていき、最後は組同士の抗争に巻き込まれてあっという間に死んだよ。
俺の人生意外と短かったんだ、27歳でバーンだ!
えっと、ここはどこだ?
死んだら悪いことしたやつは地獄へ行くんだったよな?
だけどここ、どう見てもお釈迦様がいそうなキレイな場所だけど・・・なんで?
健太は27歳で人間界を去ってしまい、あの世と呼ばれる場所にやってきました!
生きている頃は悪事のかぎりを尽くし、人のことなど信用せずただ自分の欲望のままに生きていたので、家族を作ることもなく子供もいないと本人は思っていたのだが・・・
え!?輪廻転生禁止?
健太が亡くなる1年前~
当時付き合っていた女性がいた健太は、彼女が妊娠していることを知らずに別れ話を一方的にして突き放すように関係を切ってしまいました!
その女性は健太と別れた9ヶ月後に、女の子を生んだのです!
命が消えるまで、自分は血の繋がりのある家族がいないと思っていた健太は、このことを知りません!
そんな状態で死を迎え、彼はあの世にやってきましたが、なんだかあの世が騒がしい事になっている状態を前にボーゼンとしていました!
「えっと・・・なんだこれ?」
閻魔大王やお釈迦様、さらにはなんちゃら菩薩などなどが「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」と叫びながら、あっちへうろうろ、こっちへウロウロしながら関係者を集めている最中だったのです!
健太の前後には、あの世にやってきてこの先行く場所の割り振りをしてもらうのを待っている人間でごったがえしていましたが、あの世はどうやらそれどころではない様子です!
ざわつく人々の声を聞きながら、健太はぼーっと状況を眺めているしか出来ませんでした!
実はこれには大変な事情が絡んでいたのです!
それは・・・「輪廻転生禁止」が発表されたことが関係していました!
2015年9月7日、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世がドイツの週刊誌ウェルト日曜版の取材を受けて、その死後に後継者を探すという450年も続いてきたチベット仏教の輪廻転生制度の廃止をすることを初めて明かしたのです。
これがあの世で大問題となって、健太の目の前で見られる光景が繰り広げられているのです!
輪廻転生が禁止されたということは、人間界とあの世の世界との関係も考え直さなければならなくなりました!
これまで、仏教の世界では因果応報という言葉で人を指導し、あなたのやったことは次の転生で浄化しなければならないというシステムがあったのですが、輪廻転生が禁止された以上このシステムを使い続けるわけにはいかなくなったのです!
すぐに閻魔大王、お釈迦様、その他の神々が集められ今後どうするかを一刻も早く決めるべく会議が行われました!
あーでもない、こーでもないと神々は口々に自分たちの意見を口にしますが、一向に話はまとまりません!
健太を含めて、あの世にやってきて割り振りを待っている人たちは疲れ切ってしまい、みなその場で寝入ってしまいました!
そんな日々が1週間ほど続いたある日・・・!
なんと、お釈迦様が名案を提案したのです!
「あのさ、輪廻転生で悪いことをした人は次の人生でそれらの浄化をすることが出来ないのなら、今生きている人たちのところへ、たくさんの猫を送り込んで猫ブームを作り、その猫の体にその魂を一緒に入れて人間に尽くすこと、ツンデレな様子を見せること、威嚇して爪で痛めつけることなど、その人の魂レベルに合った方法で、猫を通して浄化するってのはどう?こうすれば、今生きている人たちの現在までやってきた悪いことなどの浄化もいっぺんにできるから楽ちんじゃん!」
これを聞いた多くの神様は、目をパチクリさせましたがごっくんとつばを飲み込んでこう叫びました!
「それでいこう」
とにかく、ダライ・ラマ14世が輪廻転生を禁止したので、これまでのシステムを使えなくなった以上、今あの世にやってきている魂を割り振って、その人が行った罪や穢などの浄化をする体がどうしても必要なので、猫ブームを人間界に起こして、そのエネルギーで一気に浄化しようというなんともてきとーな決定になってしまいましたが、これでとりあえずあの世の神々は「一件落着」にしてしまいました!
この決定で、物事が一気に動き出しました!
まず、あの世にやってきた人たちの列が正され、一人ひとり割り振りが行われますが、これもまた面倒な仕組みになっています!
罪が重い人、軽い人、ほとんど浄化の必要はないけれどどうしてももう一度体を持って生まれて、家族を助ける必要がある人などに振り分けられました!
もちろん健太は罪が重い人のリストに入るものと思っていたのですが・・・!!!
オーマイゴッド、あの世とこの世のシステムは真逆で、悪いことをした人ほど浄化力が高いのでほぼ浄化することがないのです!
実はこの世は善人であればあるほど、人を苦しめるという側面があるため、常識や道徳では良いと言われることをして、この世で素晴らしい人生を生きたという人ほど浄化しなければならないエネルギーがたくさんあるという、まったくもって人間が持っている理論や理屈が一切通用しない世界観が、どうやらあの世=宇宙にはあるようです!
これには理由があって、あの世でこの状況を真逆にすることでいわゆるシャッフルが起こり、すべての罪や穢が消えるという面白い現象が起こるのです!
なぜなら、あの世には陰陽の仕組みが働かないので、この世の陰陽のシャッフルを行いドローにできるシステムが存在するからです!
要は、偏りすぎる生き方はこの世とあの世のバランスを崩すので、真逆のバランスの法則というものが適用されるという、頭でなにもかも理論的にすっきりと理解したい人にはまったく理解できないシステムが、どうやらあの世=宇宙に働いているようです!
さて、あの世にやってきて間もない人たちは、この真逆のバランスの法則がよく理解できませんが、勝手にどんどん割り振りされて、次は猫に生まれ変わるというシステムの説明を受けることになりました!
起死回生を計るには猫に生まれ変わって子孫に尽くすのだ
今回、健太を担当するのは天使軍団の中でもよく名前が知られている「ミカエル」です。
ミカエルは、キリスト教では死の天使として人間の魂を天秤にかけると言われている天使で、名前には「神に似たもの」という意味があり、恐れの感情からくる邪気や毒気を地上から消し去る役割があります!
健太はミカエルを前にして、自分の人生を振り返りえらいたいへんな来世になるんだろうなとうなだれていました!
さっきほとんど浄化の必要がないグループに割り振りされたのに、まだこの世のシステム=思考が抜けないため理解出来ない様子です!
ミカエル「それでは、あなたの来世のシステムを説明します」
健太「どうせろくでもない人生になるんだろう、また親がいないとかすぐに病気になって野垂れ死ぬとか、それくらいじゃないとこれまで生きてきた人生の浄化は出来ないもんな」
そうつぶやきながらため息をついたその瞬間、なんと目の前で「祝 おめでとうございます!あなたの来世は良いことだらけです」と書かれた垂れ幕が垂れ下がってきました!
人間界では、悪はひじょうに迷惑行為で、許すことが出来ない生き方であり更生することが目標となっていますが、あの世では真逆のバランスの法則が働くので、悪に身を染めた人は魂レベルが高いため、その行動が結果的に人間界の発展&進化に寄与した面があるということを考慮に入れて、浄化力が高いと判断されるのです!
逆に、良いことばかりをやるいわゆる良い子ちゃん状態で生きている人たちは、いわゆる魂レベルがまだまだ発展途上中なので悪を行えるほど器用な生き方が出来ません!
だからこそ、気づかないレベルで善を振りかざすことで多くの人を傷つけている側面に気づけないので、浄化しなければならない悪や穢を多く作ってしまうというわけです!
もちろん、状態ややってきたことによってこれは細かい決まり事がありますが、健太の場合、子孫を知らない間に残しているためここへ行ってこの女の子の生活を楽しいものにし、成長する女の子の情緒に影響を与えることで人間の進化の手伝いをするという使命を与えられたのです!
ミカエル「あなたももうご存じだと思いますが、輪廻転生が禁止になっちゃいましたから、今後人間は死ぬ必要がなくなりましたので、人間界はランクアップしていくことになります!
そうなると、これまでの陰陽の法則がバージョンアップし、すべての人が悪を排除してより素晴らしい世界を構築していくので、そのお手伝いをしていくことになります。あなたは娘の成長を見守り、性格形成に影響を与える仕事をすることで、これまで人間界で身につけてしまった穢や悪行のすべての浄化をすることになりました!
ほとんど浄化するものはないので、進化を手助けするという役割をすることで、あなた自身の魂の進化にも貢献できるという、ぶっちゃけ天使的にはそれって出来過ぎじゃんというジャンルのカテゴリーに入るということです!」
健太「は、はぁ」
健太には、この天使が言っている言葉の意味が、半分ほどしか理解できませんが、専用AIがもれなくプレゼントされるので、それが上手に可動して人間界で猫として生きる健太の魂を導くので特に問題もないというわけです!
どの猫種を選ぶかによって罪の浄化が変わるの?
ミカエルの話をなんのこっちゃと思いながら聞いていた健太だったが、AIの影響でどんどん話の展開が理解できるようになり、大筋の来世のあらすじが見えてきたので次は猫種を選ぶ段階へと入っていきました!
ミカエル「まず体を用意しなければならないので、どの猫種を選ぶかによって浄化の状態が変わるため、あなたは保護猫として生まれることになる設定と決まりました!
健太「ってか、俺に決定する権利はないわけ?」
ミカエル「残念ながら、今回大規模なあの世と人間界のシステム改革なので、AIの力で最適な人生のシナリオが作られましたのでそれに従ってもらうことになります!
ちなみに、野良猫だと浄化力が一番弱く、保護猫は中間くらい、純血種だと一番大きいのです!理由は、純血種は先天性の病気になる確率が高くなることや、自分たちの気持ちに沿って自由に繁殖することが出来ないという大きな心理的&肉体的ショックがかかります。
さらに、ブリーダーの質が悪い場合かなり命に対するリスクも高くなるので、人間が知らないところで虐待されたり間引きされたりして命を落とす確率も高くなるのです!
保護猫はシェルターに集められて殺処分を逃れて、里親募集で結局は子孫の元へ行くことになっているので、これがあなたにとって一番面倒なく娘のところへすんなりと行く方法になります!
野良猫は、人間の目から見ると悲惨そうな状態に見えますが、自然界という力が見守り育んでくれるという自由度の一番高いメリットが受けられるので、この状態で生きる場合浄化する罪や禊が少ない人が入る体になります!」
健太「なんだかさっぱりわかんねーけど、とりあえず俺の来世は保護猫で、娘のところへ行ってその子の成長に関わって、世の中の人達の進化の手伝いをするってことでいいのか?」
ミカエル「とりあえずそんな感じの来世ですね!細かいことはAIの計らいでなんとかなりますので、あなたは保護猫として来世は生まれてください」
ダライ・ラマ14世の発言のおかげで、こんな大変化がこの世とあの世で起こったことが、人間界での猫ブームの到来の背景にあることなど人間は誰一人知らず、猫に夢中になっているのですから面白いものです!
こうやって、あなたの元へ猫がやってきたというわけです!
それでは、次は娘の元へ行った健太がどんな猫として暮らしているのかご紹介していきましょう!
つづく・・・・